ZNONZ Ⅰ

ZNONZ Ⅰ

 ZNONZ Ⅰ型の振幅型ゾーンプレートは、回折現象を利用して、被写体状の一点から出た光が像面上の1点で位相が揃うように、反位相光をドーナツ状の黒線でカットしています。これで位相が揃った光線だけが像形成し、レンズと同様の働きをします。
 振幅型ゾーンプレートは製造の難易度は高くなく安価ですが、入射光の約半分をカットするため、暗くなる点が問題となります。また、ピンホールと同じように直線的に通過する光を除去しきれないため大量のハローが発生し結果としてソフトな画像が得られます。これはこの製品が持つ独特の味わいとも言えるでしょう。
 製品には形状の異なる3種の振幅型ゾーンプレートにピンホールを加え、4種の撮像素子がターレット状に格納されているので、ダイヤルを回しいつでもご希望の素子を選んで撮影できる仕組みです。
 4種とも画角はフルサイズ換算で約28ミリ広角レンズに相当する約75度です

PH(ピンホール)
PS(フォトンシーブ)
SZP(スクエアゾーンプレート)
ZP(ゾーンプレート)

ZNONZ Ⅰ に搭載した光学素子

ピンホール
 空間中にランダムに飛び交う光線の内、ピンホールを通過した多数の光線がそのまま受光体に到達し、像として形成されるのがピンホール写真です。
したがってピンホール写真にはピントという概念がないので、遠景も近景も同じ程度にボケた独特の像を形成します。またイメージサークルを大きく取ることも可能なため、大サイズの受光体にも対応できることも特長です。なお、穴径は0.25ミリです。

振幅型ゾーンプレート
 振幅型ゾーンプレート直進光をそのまま通過させます。そのため幅広いハローがあり、一見するとピンホールよりもソフトな画像になりますが、芯にはピンホールよりもシャープな画像があります。また色収差もあり、ソフト感を増しています。
 芯にシャープな画像がありかつ、直進光のハローによるソフトな画像が、ゾーンプレート画像の特徴といえます。

フォトンシーブ
 フォトンシーブと次に説明するスクウェアゾーンプレートもゾーンプレートと同等に直進光によるハローがありますが、ZNONZ 1では、ゾーン数がゾーンプレートよりも少ないため、ハロー幅は狭くなります。
 また、芯にはゾーンプレートと同様にシャープな画像があります。

スクウェアゾーンプレート
 スクウェアゾーンプレートは点光源に対して、クロスフィルターのように縦横に光芒が現れます。ZNONZ Ⅰで撮影したハローのある独特のソフトな画像による表現を目指すか、画像処理によりハロー除去の方向を目指すかは、お客様のお好みしだいです。

PH(ピンホール)で撮影
PS(フォトンシーブ)で撮影
SZP(スクエアゾーンプレート)で撮影
ZP(ゾーンプレート)で撮影
※製品には国立電気通信大学名誉教授・竹田辰興先生監修のガイドブックが同梱されています。ZNONZⅠ、ZNONZⅡのそれぞれについて、より詳しい情報はそれぞれのガイドフックをご覧ください。